爆笑王・桂枝雀復活になるかも。長男・桂りょうば高座デビュー

 昨年のドキュメンタリーで枝雀師匠の長男の方は、えらく枝雀師匠に似ているなと思ったのを覚えています。その時は確かスーツ姿だったし、枝雀師匠の裏の姿も近くで見ていたでしょうから、芸事からは離れて普通にサラリーマンをしているんだろうなと思ったのを覚えています。嫁さんとは、それが一つの幸せだろうね、と話していたわけですが、今日のニュースで枝雀師匠の長男が高座デビューという話題が。
 調べてみたら、昨年の8月16日に桂ざこば師匠に弟子入りし、5ヶ月間稽古を積んできたそうです。弟子入りの際は、ちょっとしたニュースになっていたようですが、全く知りませんでしたね。
 弟子入り前も、東京でバンドをやっていたり、その後はアマチュア落語家として活躍をしたりしていたそうです。43歳のデビューとなって、噺家としてはかなり遅くのデビューとなっていますが、ざこば師匠によるとハリセンを持つ手の小指の角度など、枝雀師匠にそっくりな部分がたくさんあるとのことで、今から期待をだいぶされているようです。

 考えてみれば、噺家としての道を歩む事を決めたのには、普通の人以上の覚悟があったはずです。まず、爆笑王と呼ばれてくらいの大師匠だった枝雀師匠が実父であるということ。今まで、実の父が大師匠だったために、そのプレッシャーから駄目になる噺家もいました。もちろん、そうならない噺家もたくさんいるのは間違いありません。が、それでも「枝雀師匠の子」というのは全く違うような気がします。芸そのものへのプレッシャーも非常に強いでしょう。
 それだけではなく、枝雀師匠は芸への探求から鬱になり、最後は自分でその命を終わりにしたわけです。その苦しみの一部始終を近くで見た、または感じ取っていた家族である以上、その同じ道を通るのではないかと常に悩んでいるのではないでしょうか。自分は芸のプレッシャーに負けない、と自信を持って言えるとは思えません。そのプレッシャーにいつか負けるときがあるのではないかと、悩み続けるのではないでしょうか。
 たぶん、家族にしか分からない大きなプレッシャーの元でのデビュー、人一倍の覚悟があったのは間違いないと思います。

 そして、師匠となったざこば師匠にしても大きなプレッシャーになっているのは間違いないでしょう。ざこば師匠にとって、枝雀師匠は兄弟子にあたり、近くでその芸の凄さを見て、感じてきた噺家の一人であるわけです。枝雀師匠の血を受け継ぎ、その才能も受け継いでいるとしたら、その芸を完成させるために多くのものを伝え、教えていかなければならない。もしかしたら、自分の指導によって、将来の大師匠を潰しかねないかもしれないのです。ざこば師匠にとっては責任重大であるというのは重々承知しているでしょう。

 今日のデビューの高座では、95人の入客で満員御礼。さらに、入場できなかった客が約40人いたとのことで、その期待は噺家だけではなく、多くのファンにとっても同じ事です。僕も、枝雀師匠の生の高座を見ることはできなかったわけですが、もしかしたら、枝雀師匠と同じ、またはもっと素晴らしい高座を見せてくれるかもしれないと大きく期待しているところであります。

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